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ロスト・ワックス技法について

 「ロスト・ワックス技法」について

ジュエリーを制作するには様々な彫金の技法が使われていますが、当教室では、その中でも「ロスト・ワックス技法」でジュエリーを制作していきます。

一般に市販されているジュエリーのほとんどがこの技法で作られており、ジュエリー業界では、もはやなくてはならないものです。カルティエやティファニーなどの有名ブランドでも、多くがこの技法で制作されています。当スタジオでは、この技法を用い、本格的な作品の制作を可能にしています。

この技法は、原型をワックス(ロウ)で作り、それを特殊な石膏に埋没させ、硬化した後、焼成。こうしてワックスを溶かすことにより石膏内に原型と同じ形の空洞を作り、そこに金属を流し込む、という技法です。つまり、「ワックスをロストさせてキャスト(鋳造)する技法」ということからこのように呼ばれるようになりました。
キャスティング(鋳造)の工程はこちら

当教室では、ワックスで原型を作るところまでを行い、その後、原型を米国内の提携鋳造所に郵送して、シルバーやゴールドなどの貴金属に鋳造してもらいます。鋳造後、貴金属になって返ってきた作品を綺麗に仕上げる作業を、また当教室で行って完成となります。

● 気軽に始められる理由

ワックスはいわゆるロウソクの蝋(ロウ)ですので、金属を加工するよりも、「切る、削る」などの基本的な作業を簡単に行うことができ、初心者の方でも扱いやすく、特別な力を必要としません。また、この技法ではボリュームのあるデザインから透かしなどの繊細なものまで自由に表現することができます。なお、ワックスの加工作業中はほとんど音が出ませんので、静かに作業することができます。


ワックスでの原型制作工程 (基本的な月型甲丸リング)


チューブワックスの厚みを決める:

リング用のチューブワックスに必要な厚み分の目印をケガキコンパスでつけます。

ワックスを切る:

ケガキの印よりも少し外側を切ります。

断面をきれいに:

ワックスの断面を印をつけたところまでヤスリで整えます。

リーマーを使って広げる:

リーマーを使ってリングの内径を必要なサイズの大きさまで広げていきます。

中心線を出す:

定規を使ってワックスに基本になる線をつけていきます。

アウトラインを入れる:

ワックスの断面にも大まかにアウトラインを入れていきます。

切る:

余分な箇所を大まかに切り落とします。

ヤスリをかける:

ガイドラインに沿って荒目のヤスリで形を整えながら形を作っていきます。

ガイドライン:

ヤスリをかけていても、必要になる中心線やガイドラインが消えてしまったら、またつけておきます。

荒目から中目のヤスリで形を整える:

荒いヤスリ目を消すように中目のヤスリで形を整えていきます。

紙やすりで形をチェックしながら磨く:

ヤスリの跡を消すように、粗い目から細かい目へ、順番に使います。

ストッキングで磨く:

表面の最終仕上げです。ストッキングで磨くことでつやが出てきます。

裏抜き:

ワックスの重さを量り、金属になった後の重さを計算して、必要であれば裏抜きをします。その場合は鋳造するのに適した厚みにしていきますが、これは作品の大きさなどにもよります。写真のような形ですと、トップのふくらみの部分を0.6〜1.0mmくらいの厚さまでスパチュラで削っていきます。

完成


鋳造の工程

(この工程は当スタジオではなく、提携している鋳造所で行います)

1.原型の制作

ここまでは当スタジオで制作します。

ワックスで作成した原型を、鋳造所に送ります。

以下は鋳造所での工程です。


2.湯道付け

湯道(溶解した地金が流れる通路)をつけます。

原型とゴム台をワックスで出来た湯道で固定します。


3.埋没剤の注入と、脱泡

円形状のフラスコ(鉄パイプ)を上からかぶせ、埋没剤(石膏系)を流し込みます。

そして埋没剤中に含まれる気泡を真空脱泡装置などで取り除きます。

この作業は鋳造後の表面に金属玉が出来るのを防ぐためです。


4.脱ロウ

自然乾燥後、脱ロウ機でワックスを溶かしだします。(中が空洞になります)


5.焼成

フラスコごと電気炉に入れて焼成し、鋳型を作ります。


6.鋳造

溶けた金属を空洞の部分に流し込みます。ただ流し込むだけでは型のすみずみまで金属が行き届かないので、遠心鋳造、圧迫鋳造、吸引鋳造という方法を使います。業者によって方法が分かれるのでここでは触れません。


7.型からの取り出し

埋没剤を取り除いて、金属になった原型を取り出します。


8.湯口切断

湯口を切り取ります。

この状態で鋳造所からスタジオに戻ってきます。


9.仕上げ - 完成

この工程は当スタジオで行います。

湯口を削り落とした後、ヤスリで形を整え、仕上げの作業を行い、完成です。

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